物流業界で活躍する『AGV(無人搬送車)』!実際に導入した場合のメリットとは?
投稿日:2020.10.26 お役立ち情報
今回は、物流業界で活躍する『AGV』の基礎知識について簡単にご紹介していきたいと思います。AGVとは、「Automatic Guided Vehicle」の頭文字を取った略語で、日本語にすると無人搬送車もしくは無人搬送ロボットのことを指しています。
少子高齢化が進む日本では、さまざまな業界で人材不足が深刻化しており、新たな若手人材の採用活動に頭を悩ませている…という企業は非常に多いことでしょう。特に物流業界では、インターネット通販(Eコマース)の利用者が急増していることもあり、人材不足に加えて従業員の激務化も問題視されるようになっています。これは、単純にネットからの注文数が増えていることも関係しているのですが、近年ではネット通販で取り扱う商品の種類が急増していることも大きな原因の一つと言われています。
物流業界では、女性や高齢者など、今まで採用してこなかった層の人材を積極的に採用するなど、人材確保の面でさまざまな工夫を凝らすようになっています。しかし、「物流業界は力仕事がメインで激務だ…」などと言ったイメージもあることから、人材不足の解消には至っていないのが現状です。そこで近年注目されているのが、物流業界へロボットなどの最新テクノロジーを導入し、今まで人間の手で行っていた作業をできるだけ自動化することにより、施設の省力化・省人化などを目指すことです。
特に『AGV(無人搬送車)』はアマゾンの大規模倉庫などで活躍している映像がメディアなどでも盛んに報道されていることもあり、皆さんもその存在自体は既に認識していることでしょう。それでは、自社倉庫にAGVを導入した場合、どのようなメリットが得られるのでしょうか?この記事では、実際にAGVを導入した場合に得られる利点についてご紹介します。
AGVの基礎知識
それではまず、「そもそもAGVとは、どういったものなのか?」といった基礎知識について簡単にご紹介しておきましょう。
『AGV(エージーブイ)』は、日本語に訳すと無人搬送車や無人搬送ロボットとなるのですが、英語表記では「Automatic Guided Vehicle」となり、その頭文字を取った言葉となります。このAGVに関しては、ここ数年の間に登場した最新テクノロジーと考えている方も多いのですが、実はAGV自体は1980年代初め頃より存在しており、工場の製造ラインなどでいち早く使用されていたのです。
しかし開発当初のAGVに関しては、屋内のみで運用されることが想定されており、施設の床面などに搬送車用の磁気テープをあらかじめ設置しておき、決められたルートのみを行き来できる物でした。もちろん、これだけでも十分便利なのは間違いないのですが、さまざまな種類の商品が存在しており、別々の場所に保管されている物流倉庫での搬送を考えた場合、「決められたルートを行き来できる」だけでは十分な能力とは言えません。
近年では、AIやセンサー技術などさまざまな技術が発展したことにより、屋外でも動作できることはもちろん、不定型なルートでも自律走行を実現するようなAGVが開発されており、自由に動けるようなAGVも存在します。現在物流倉庫などで活躍しているAGVは、誘導の設備などが特にないような場合でも、ロボットが自律的に動けるようになっており、初めて走行するような場所でもきちんと障害物を避けて走行することもできるのです。
こういった技術の進化もあり、物流倉庫の省人化目的でAGVを導入する施設が増加しているのです。
AGVのメリットとデメリット
それでは、物流倉庫などが『AGV(無人搬送車)』を導入した場合、どのようなメリットが得られるのでしょうか?ここでは、AGVの導入による代表的なメリットとデメリットを簡単にご紹介しておきます。
AGV導入で得られるメリット
それではまず、AGVの導入で得られるメリット面からご紹介していきます。倉庫の省人化や省力化に役立つと考えられているAGVは以下のようなメリットがあります。
- 従業員の負担軽減
物流倉庫では、目的の商品をピッキングするため、従業員が倉庫内を歩き回ることになります。当然、人が動くのですから疲労も蓄積しますし、その日の体調によって作業スピードも変わってきてしまうものです。しかし、AGVが導入されていれば、梱包場所に人員を配置しておけば、後はAGVが該当商品をそこまで運んでくれることになります。したがって、人は倉庫内を動く必要がなくなりますので、大幅に負担が軽減されるのです。 - 人為的ミスの低減
人が作業を行う場合、どれだけ注意していたとしても商品の取り違いなどの人為的ミスの確率を『0』にすることはできません。しかしAGVによるピッキング作業となれば、取らなければならない商品の隣の商品を取ってしまう…などと言ったミスは基本的になくなります。 - コスト削減
AGVの導入による省人化は、単純に人件費の削減が可能になりますので、倉庫稼働にかかるコストを削減することができます。アマゾンの倉庫を参考にすると、AGVの導入により1つの倉庫で約24億円ものコスト削減が実現したと言う事例もあるほどです。
物流現場におけるAGV導入は、上記のような3つのメリットがあると言えます。
AGV導入のデメリット
物流倉庫などでAGVを導入すれば、従業員の負担軽減や人為的ミスの大幅な低減などさまざまなメリットがあると言われています。特に、物流業界での人材不足は「倉庫作業は激務だ…」といった悪いイメージがあることも大きな原因と言われていますので、ロボットの導入による省力化がアピールできれば、新たな若手人材を確保するためのアピールポイントにもなるという副次的なメリットも考えられます。
しかし、AGVの導入は、メリットばかりではなく大きなデメリットも存在するのです。近年注目されているAGVですが、実際に自社倉庫への導入を検討した場合には、決して安くない『導入コスト』がかかってしまう…ということがデメリットと言われています。AGV本体を購入するコストはもちろん、AGVを効率的に運用するためには現場設計自体の見直しも必要になりますので、さまざまな面でコストがかかってしまうものなのです。
参考として紹介したアマゾンの倉庫などは、莫大な資本をもとにAGVの導入を行い、大きなコスト削減を実現できたのですが、倉庫の規模のよってはかけたコストを取り戻すのが難しい場合もあるかもしれません。したがって、AGVの導入を検討した場合には、得られるメリットと必要な導入コストを天秤にかけることが大切です。
まとめ
今回は、物流業界の省人化・省力化に役立つと注目されている『AGV(無人搬送車)』の基礎知識についてご紹介してきました。
年々拡大するEC市場のこともあり、物流業界では従業員の激務化や人材不足がどんどん深刻化していると言われています。少子高齢化が進む日本では、多くの業界が同じような悩みを持っているのでしょうが、激務化が注目されていることもあり、物流業界では新たな人材確保が非常に難しくなっていると言われているのです。物流業界の激務化に関しては、注文数の増加も一因ですので、企業の売り上げのことを考えると一概に悪いとは言えないのも悩ましいところだと思います。
そこで注目されているのが、最新テクノロジーの導入による省人化・省力化です。この記事でご紹介したAGVの導入が実現すれば、従業員が広い倉庫内を歩き回ることもなくなりますので、倉庫内作業の負担は大幅に軽減されることになるでしょう。そうすれば、「倉庫作業はしんどい…」といったイメージも払しょくでき、新たな人材確保にも役立てることができるようになるかもしれません。
当然、新たな技術の導入には、コストがかかってしまいますので、導入によって得られるメリットとしっかりと天秤にかけて検討する必要があります。
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