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自動車運送事業者の『働きやすい職場認証制度』って何?

自動車運送事業者の『働きやすい職場認証制度』って何?

投稿日:2021.06.27 
更新日:2021.10.06 
お役立ち情報

生産者のもとや工場などから出発した品物が消費者の手元に届くまでの流れを『物流』と言います。そして、日本の物流を支えていると言われているのが『トラック輸送』で、国内の貨物総輸送量である約47億トン(平成30年度)のうち、トラックの輸送分担率はトンベースで約92%を占めていると言われています。つまり、日本の貨物輸送は、トラックドライバーによって支えられているということです。

しかし、少子高齢化が進む日本では、さまざまな業界で人手不足が問題となっており、特に国内物流を支えるトラックドライバー不足は年々深刻化していると言われています。実際に、EC市場がどんどん拡大し、配送需要が増えているのにもかかわらず、ドライバーを確保できないことから倒産してしまうような運送会社が増えているとまで言われている状況です。

こういったこともあり、令和2年8月に国土交通省において、自動車運送事業(トラック・バス・タクシー事業)の運転者不足に対応するための総合的取組みの一環として「働きやすい職場認証制度」が作られました。この制度は、運送業界などで行われている職場環境改善の「見える化」を行うことで、求職者である運転者への就職を促進することが目的だと言われています。
この記事では、まだできたばかりの制度で「何のメリットがあるの?」と疑問に思っている方のため、『働きやすい職場認証制度』の基礎知識をご紹介します。

参考情報:日本のトラック輸送産業 現状と課題2020
参考情報:「人手不足倒産」の動向調査

『働きやすい職場認証制度』の基礎知識

『働きやすい職場認証制度』は、自動車運送事業者(トラック・バス・タクシー事業)の運転者の労働条件や労働環境を第三者機関が評価・認証する制度となります。この制度の認証申請は、令和2年9月16日からスタートしており、一つ星から三つ星まで3段階の認証マークが存在しています。

冒頭でもご紹介したように、トラック輸送が国内の物流を支えているという現実がある中でも、運送事業者は深刻な人手不足に陥っていると言われており、そういった運転者不足に対応するための総合的取組みの一環として創設された制度となります。なお、『働きやすい職場認証制度』導入の目的は、以下のように説明されています。

制度導入の目的

  • 職場環境改善に向けた各事業者の取組みを「見える化」することで、求職者のイメージ刷新を図り、トラック・バス・タクシーの運転者への就職を促進します。
  • 自動車運送事業者の改善への取り組みを促し、より働きやすい労働条件・労働環境を実現します。

参考:リーフレットより

『働きやすい職場認証制度』の2021年度認証手続きについては、5月下旬以降に申請案内資料などが公表される予定となっています。2020年度については、「一つ星」に限定して申請の受付を行っていたようですが、既に申請が締め切られています。本年度の申請をお考えの方は、何を用意しておけば良いのかの参考になると思いますので、昨年の申請案内などを確認しておくのがオススメです。
なお申請には以下の費用がかかります。

取得にかかる費用

  • 審査料・・・50,000円(電子申請は30,000円)
  • 登録料・・・60,000円

※複数の営業所がある場合、1営業所あたり、審査料3,000円、登録料5,000円が加算されます。

参考:2020年度『働きやすい職場認証制度』申請の案内資料はコチラ
参考:申請のポイントを紹介した動画

『働きやすい職場認証』を取得するメリットは?

それでは、『働きやすい職場認証制度』の認証取得をするメリットとは何が考えられるのでしょうか?この認証を取得することで、以下のようなメリットが得られると説明されています。

●HPで公表され、交付される認証マークを車両等に表示することで、優良な職場環境の企業であることを求職者はもちろんそのご家族も含め社会に対して中立的・客観的にアピールできます。
●取引先である荷主や旅行業者等に、自社の労働条件や労働環境の状況を中立的・客観的に示すことができ、取引先からの信頼性が向上します。
●厚生労働省と連携し、ハローワークにおける求人票への記載や、認証事業者と求職者のマッチング支援を行うことを検討しております。また、求人エージェントと連携し、本制度や優良取組みを広く発信する予定です。
引用:『働きやすい職場認証制度』リーフレットより

この認証は、いわゆる「ホワイト企業」であることを対外的に示すことができるようになりますので、求職者はもちろん荷主等の取引先や一般消費者からの企業イメージを向上させることができるようになると考えられます。企業イメージが向上することで、新たな人材の確保に役立てることができるようになるはずです。
人手不足で悩んでいる企業にとっては、非常に大きなメリットになるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、運送事業者など自動車運送事業(トラック・バス・タクシー事業)の運転者不足を解消するためにスタートした『働きやすい職場認証制度』がどういったものなのかを簡単にご紹介してきました。少子高齢化の進む日本では、さまざまな業界で人手不足が問題と言われていますが、特に深刻なのが物流業界などの自動車運送事業だと言われています。

物流業界では、EC市場の拡大から配送需要が高まっており「儲かる業界」と考えている方が多いのですが、配送サービスの多様化や再配達の急増など、現場で働く配送員はどんどん疲弊していっている…と言われています。そのため、「運送業はしんどい…」「ブラックな業界だ…」などというネガティブなイメージが先行してしまい、若手人材から敬遠されてしまっているのだと考えられます。
今後、新たな人材を確保していくためには、労働環境を改善するだけでなく、どのような改善が行われているのかを『見える化』する必要もあると言われています。『働きやすい職場認証制度』の認証取得は、ホワイト企業だということを対外的に発信できる制度ですので、人手不足解消のために取得を検討してみてはいかがでしょうか。

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