冬の倉庫は極寒!労働環境改善のために用意しておきたい防寒対策について
投稿日:2021.10.27
更新日:2021.12.08
お役立ち情報
今回は、倉庫や工場などにおける防寒対策について解説します。
倉庫や工場などの施設は、取り扱い物品の関係などから、そこで働く従業員にとっては過酷な環境になってしまう場合も多いです。例えば、生鮮食品や冷凍食品などを取り扱う施設であれば、保管物品の品質を保つために空調設備で室温を高くすると言ったことはできません。さらに、工場や倉庫というものは、そもそも空間が大きな施設になりがちだということから、空調機器の効果が薄く、夏は暑く冬は寒いといった従業員にとって過酷な環境になりがちだというデメリットが存在します。
とはいえ、「工場や倉庫が寒いのは当たり前だ!」と、過酷な労働環境の改善対策を何も行わなければ、従業員のモチベーションが低下してしまい、生産性も落ちてしまう恐れがあるでしょう。さらに、寒さで縮こまって作業することから、余計な事故が起きてしまうリスクがありますし、企業にとって従業員が働きやすい環境を作ることは非常に重要なことと考えておくべきです。
そこでこの記事では、過酷な作業現場になりがちと言われる倉庫について、労働環境改善のために行っておきたい防寒対策をご紹介します。
倉庫が寒くなる理由と対策について
それでは、冬場の作業が非常に過酷になると言われる倉庫について、「なぜ倉庫が寒くなってしまうのか?」という理由と、少しでも従業員の労働環境を改善するための対策についてご紹介していきましょう。
施設規模が大きく空間が広い
倉庫は、大量の荷物や在庫を保管しておくということが目的ですので、可能な限り広い空間が得られるような施設が求められます。そして、この空間の広さが冬に寒くなってしまう大きな要因になっています。
一般住宅で暖房器具を使用する時をイメージしてみましょう。エアコンなどで部屋を暖めている時には、その暖かさができるだけ逃げていかないように、部屋を閉め切っているのではないでしょうか。どのような暖房器具でも、効率的に暖められる部屋の広さの基準があり、あまりに広い面積になると部屋中を暖めることは難しくなります。また、暖かい空気は上昇するという特徴があるため、天井が高い倉庫などは上に暖気が逃げてしまうというのも作業場所が寒くなってしまう要因の一つです。
倉庫などでの作業効率を考えた場合、広い空間を細かく間仕切りすることは難しいので、室内全体を暖めにくいことや暖かい空気が逃げてしまいやすいなどの理由で寒くなってしまいます。
それでは、倉庫のこういった問題を解決するための対策はどのようなことが考えられるでしょうか?
施設そのものに施す寒さ対策は以下のような物が考えられます。
- ストーブを設置して暖をとれるようにする
可能であれば、倉庫内の各所に持ち運び可能なストーブなどを設置すると良いでしょう。さらに、ストーブの周囲をビニールカーテンなどで囲っておけば、簡易の休憩スペースが作れますので、定期的に冷たくなった手を暖めることができるようになります。 - 開口部にビニールカーテンを設置する
倉庫によっては、頻繁に荷物の出し入れなどがあることから、出入り口を開放したまま作業を行う場合があります。当然、このような開口部があれば、せっかく温められた空気が外に逃げ、逆に外からは冷たい空気が入ってきてしまいます。したがって、開口部にビニールカーテンなどを取り付け、外気と遮断する対策が有効です。ビニールカーテンであれば、簡単に設置でき、導入のためのコストもそこまでかかりません。また、開け閉めも容易ですので、作業の邪魔をすることなく、寒さ対策ができるという点が大きなメリットになるでしょう。
寒さ対策は、個人レベルで可能なこともたくさんありますので、以下のような対策を従業員それぞれに行ってもらうのも良いでしょう。
- 暖かい衣類を着用する
最もわかりやすくすでに行っている方も多いのが、寒さを感じないような恰好をするという対策です。近年では、体から蒸発する水分を利用して発熱するといった暖かい肌着などがさまざまなメーカーから販売されていますし、そういった衣類の着用を推奨するのがオススメです。また、厚手の防寒着などは、会社から支給するなどの対策もオススメです。 - カイロなどを使用する
冬の寒さ対策の定番にカイロがあります。カイロは、鉄・活性炭・水の化学反応により発熱し、約10時間ほど暖かさが持続しますので、作業中の寒さ対策には非常に有効です。従業員の寒さ対策として、会社側がこういった備品を用意しておくのも良いのではないでしょうか。
室内温度を低温に保つ必要がある倉庫
冒頭でご紹介したように、倉庫は保管物品によって、倉庫内の気温を一定に保つ必要があります。倉庫は、顧客の手元に商品を届けるための一時保管の場所ですし、保管物品の品質を保つことは最も重要な役割の一つです。
そして倉庫は、「保管温度帯」というものが決められており、食品などを取り扱う倉庫は、細かく保管温度帯が決められています。例えば、冷凍マグロなどになると、「-50℃」と言った超低温で保管されていますし、乳製品やお米などの食品についても-20℃~10℃ぐらいまでの温度帯で、適切な温度を保ちながら保管されています。他にも、精密機械などは急激な温度変化に弱いものがありますので、倉庫内の温度を一定に保つ必要があります。
こういった倉庫では、従業員が作業しやすい温度を優先するのではなく、保管物品に適した温度に保つことが優先されます。
施設そのものに施す寒さ対策は以下のような物が考えられます。
- スポットヒーターの導入
冷蔵・冷凍倉庫では、食品の安全を守るため、低温下での作業が必須です。施設内で働く従業員が寒さを感じたとしても、食品衛生上の問題から暖房器具などで施設全体の室温を上げるようなことはできません。したがって、こういった作業現場では、従業員の足元のみを温めるスポットヒーターなど、『従業員のみを暖める』ことができる職場づくりを目指しましょう。 - 施設の自動化を進める
ロボットの導入など、倉庫の自動化を進めることは、ある意味従業員の寒さ対策につながります。極寒になる冷凍庫内での作業をロボットに任せ、人間がその他の作業を担うようにすれば、人為的ミスの削減と労働環境改善を一気に進めることができるかもしれません。
寒さ対策は、個人レベルで可能なこともたくさんありますので、以下のような対策を従業員それぞれに行ってもらうのも良いでしょう。
- 暖かい衣類を着用する
冷蔵・冷凍倉庫などは、専用の防寒着を会社側が用意すべきです。その上で、暖を取れる肌着などを着用するように従業員に指示しましょう。 - カイロなどを使用する
使い捨てカイロは、冷蔵・冷凍倉庫での寒さ対策にも非常に有効です。貼るタイプとポケットなどに入れておけるタイプがありますので、会社側が用意しておくと良いでしょう。 - 「首・手首・足首」を暖められるアイテムを使う
ネックウォーマーやレッグウォーマーは、倉庫などでの寒さ対策には非常に有効です。特に、首は寒さを感じやすい場所と言われていますので、タートルネックやネックウォーマーで保護することで、体感温度がかなり変わると言われています。作業時には、首や手足を暖められるようなアイテムを積極的に着用するように指示しましょう。
まとめ
今回は、倉庫の労働環境改善のため、おさえておきたい冬の寒さ対策について解説してきました。インターネットで倉庫の作業について少し調べてみると、倉庫は「夏は暑くて冬は寒く、本当に過酷な現場だ」などというネガティブな情報をよく見かけます。
実際に、倉庫は大量の荷物を保管しておくことが目的の施設ですし、「可能な限り広い空間」が求められることから、空調設備の効きが悪く、冬場は極寒の作業現場になってしまう場合も多いです。
この記事では、すぐにでも始められる寒さ対策をご紹介しましたので、ぜひこの冬から試してみてはいかがでしょうか。
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