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持続可能な物流の鍵は『共同配送』?共同配送の特徴とメリット・デメリットをご紹介

持続可能な物流の鍵は『共同配送』?共同配送の特徴とメリット・デメリットをご紹介

投稿日:2021.11.10 
更新日:2022.01.06 
お役立ち情報

物流業界では、トラックドライバーの高齢化や労働力不足などの課題が顕在化しており、今後さらにこの問題が深刻化していくことによって「モノが運べなくなる」という懸念が生じてきていると言われています。さらに、全世界共通の目標であるSDGsに関しても、物流業界の取組が重要視されており、特にCO2排出量削減などの環境への配慮が強く求められるようになっています。

2020年に入ってからは、新型コロナウイルス感染症の拡大により、配送需要のさらなる増大や燃料費の高騰など、物流業界を取り巻く環境は年々変化しています。そこで今回は、物流業界の課題を解決し、持続可能な物流の鍵となると言われる共同配送について解説します。

共同配送とは?

それではまず、持続可能な物流の鍵になると言われている『共同配送』がどういったものなのかについて解説します。共同配送は、その言葉からもイメージできるように、複数の物流企業が、1つのトラックやコンテナを共有するという物流の姿で、同じ届け先の荷物であれば、同一のトラックに載せ配送するというものです。分かりやすい例を挙げると、街中に点在しているコンビニチェーン店について、配送トラックのルート上にある店舗については、別チェーンの店舗でも一つのトラックに荷物を載せて配達するといった形をイメージしていただければ良いと思います。

共同配送という手段を活用するようになれば、車両台数を削減できるうえ、効率の良い輸送が可能になり経費削減などにつながることでしょう。さらに、慢性的な労働力不足や長時間労働の改善など、物流業界が抱えている課題解決に近づけると言われています。また、トラックの台数が減少すれば、渋滞の緩和やCO2排出量削減などにも貢献することができるなど、多くの効果が得られると期待されています。

現在、物流業界では貨物の小口多頻度化が進み従来のように自社のみの荷物を運ぶという手段の場合、運ぶ荷物がわずかしかない場合でも配送せざるを得ず、大量の空きスペースを抱えたままトラックを走らせるなどの非効率な配送になっています。そこで、輸送はもちろん、保管や荷捌きなども合理化することができる『共同配送』は、物流業界に存在するさまざまな無駄を解消できると、国土交通省なども推奨するようになっています。

> 国道交通省「連携による持続可能な物流に向けて(提言)

以下に、経済産業の資料内で紹介されていた『共同配送』の取組事例をご紹介しておきます。


引用:経済産業省「物流分野におけるモビリティサービス(物流MaaS)勉強会とりまとめ説明資料

共同配送のメリットとデメリット

それでは、共同配送を実現することで得られると考えられるメリットについても解説していきましょう。ここでは、共同配送のデメリットに関してもあわせてご紹介します。

共同配送のメリット

まずは、共同配送のメリットからです。共同配送は、以下のようなメリットを物流企業にもたらすと考えられています。

  • 配送の効率化
    最もわかりやすいメリットが、配送の効率化です。従来の方法であれば、荷物の多寡にかかわらず、配送をしなければならないため、空きスペースが生じることもあり非効率な配送になってしまうこともありました。しかし、共同配送の場合、複数の企業の荷物を一括で積載できるようになり、スペースを有効活用することができ、配送効率が向上します。トラックの積載率の向上は、物流業界のドライバー不足の解消を始めとした業界の課題解決だけでなく、トラックが減少することでCO2排出量の削減など、環境問題にも貢献できます。さらに、荷物を受け取る側も、共同配送の場合であればまとめて荷物を受け取ることができるようになるというメリットがあります。
  • コストを削減
    配送効率の向上はコスト削減にも繋がります。共同配送は、積載率が向上しますので、少ないトラックで配送が実現します。そのため、配送に必要になる人手や燃料が少なく済み、コスト削減が実現するわけです。
  • CO2排出量の削減
    共同配送に切り替えることで、配送に利用するトラックが少なくなりますので、排出されるCO2が少なくなります。

共同配送のデメリット

それでは、共同配送に存在すると言われいるデメリットについても簡単に触れておきます。

  • 臨機応変な対処が難しい
    自社単独の配送であれば、急に荷物が増えるなどと言った事態が発生しても、臨機応変な対処をとることができます。トラックが出発する前であれば、急遽その荷物を追加するという対応も難しくありません。しかし、共同配送の場合、このような対応は非常に困難だと考えられます。共同配送の場合、複数の企業の都合によって配送スケジュールなども決まっていますし、一部の企業の都合で予定を変更することは基本出来ません。共同配送は、配送サービス自体の利便性は低下してしまうと考えましょう。
  • 荷物の追跡などが難しい
    共同配送の場合、配送中の荷物は自社の管理下にあるわけではありません。そのため。荷物の追跡などは、従来の方法よりも難しくなると考えられます。自社内だけの配送であれば、自社の管理システムなどで把握することができますが、共同配送でも同じようにするためには、システムの共有や改修が必要になります。さらに、技術的に可能な場合でも、自社の情報を他社と共有しなければならなくなるという、別のリスクが生じる恐れがありますので、実現は難しいと考えた方が良いかもしれません。

まとめ

今回は、物流業界に存在するさまざまな課題を解決できると言われている『共同配送』について解説してきました。共同配送は、複数の企業の荷物を一つのトラックに積載して運ぶという配送手段で、これだけを聞くと非常に単純でいつでもスタートできる配送方法のように思えますよね。

しかし、共同配送を実現するには、同じトラック内に効率的に積み込みができるよう、荷姿の規格を統一しなければいけませんし、荷物の品質を保つための基準なども考えなければいけません。さらに、荷物を集め保管するための共同物流センターを確保する必要などもあることから、皆さんが考えている以上にさまざまなハードルが存在します。

この記事では、共同配送の基本的な部分を簡単にご紹介しましたが、もう少し詳しく知りたいという方は、以下の資料などを参考にご覧ください。

■共同配送関連の資料
> 連携による持続可能な物流に向けて(提言)
> 連携による持続可能な物流に向けて
> 物流分野におけるモビリティサービス(物流MaaS)勉強会とりまとめ説明資料
> 農産品物流の改善・効率化に向けて

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