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機能別倉庫の種別と建築方法の種類
普通倉庫とは
倉庫の種類 | 用途地域 | 建設可否 |
---|---|---|
1類倉庫 | ほとんどすべての物品が保管できる | 日用品、繊維製品など |
2類倉庫 | 燃えにくい物品が保管できる | 麦、塩など |
3類倉庫 | 燃えにくく、湿度に強い物品が保管できる | 日用品、繊維製品など |
野積倉庫 | 野外で保管する倉庫 雨風・日光に強い物品を保管する |
鉱物、土石、れんがなど |
貯蔵槽倉庫 | 円柱状の倉庫 ばらの状態の物品を保管する |
麦、飼料など |
危険品倉庫 | 危険物や高圧ガスを保管する倉庫 | ガソリン、灯油など |
冷蔵倉庫 | 物品を摂氏、10度以下で保管する倉庫 | 生鮮食品、冷凍食品など |
水面倉庫 (水面貯木庫) |
物品を水面に浮かべて保管する倉庫 | 主に原木 |
トランクルーム | 個人向けの小規模な倉庫 | 主家具、美術品など |
機能別倉庫の建築方法
テント倉庫
構造は鉄骨造の骨組みに膜材料(シート)を張ったもの。屋根材・外壁材が薄い膜材料ですので他の建築材料に比べ格段に軽量という特徴がある。プレハブ倉庫やシステム倉庫に比べて建築費を安く抑えられ、納期が短いのが特徴。
木造倉庫
耐震壁や構造用集成材を組み合わせた工法で、トラス構造を用いると30m程度までの無柱空間が実現できる。構造体が軽量なため基礎や地盤への負担も軽減できるため工事費が抑制でき、かつ短工期での納品が可能。但し、一定規模を超えて耐火要件が付加されるとコスト増となる。
プレハブ倉庫
工場で製作された規格パーツを現場で組み立てて完成させる倉庫。この工法から完成までの納期もシステム倉庫に比べると短いのが特徴。強度も高く、倉庫だけでなく事務所や店舗として使われることもある。但し構造上、システム建築や在来鉄骨ほどの大規模な無柱空間は確保できない。
システム建築
建物の部材を徹底的に標準化することで品質を安定させシステム化し規格化されている為、コスト低減や工期短縮を図った建築工法。2階建て以上や平面形状が複雑になるとコスト低減や工期短縮というメリット発揮が難しくなる。
カスタム・在来鉄骨
オーダーメイドが必要となる工場や、小規模から大規模多層階倉庫などスケールの大きな建物まで幅広く用いられるのが在来鉄骨造。 柱と梁を鉄骨で作る工法で、耐久性が高く寿命が長いことが特徴。デザインや建材など自由度が高い建築方法のため、いろいろなこだわりにも対応可能。
倉庫の温度管理
温度管理と日本の気象条件
倉庫においては温度管理をするかしないかで、コストが大きく変わってきます。最近の日本の気象条件では、-10℃~50℃近くまでの気温変化が起こっており、保管物の状態に影響がまったくないとは言えません。単純に断熱パネルを設置するだけでは、室内環境をコントロールすることはできません。
温度管理の考え方
温度管理においては、一般的に○度をキープ、○度以下に抑えるといった仕様が目立ちますが、改めて上限温度と下限温度、湿度条件や空気の循環量など細かく定める必要があります。とくに寒冷地ではあとからヒーターの設置が必要になるなど、思わぬ追加費用が発生する場合もあるので、予め仕様を定義しておきましょう。
物流倉庫の温度管理区分は4つ
常温倉庫の場合:10~15℃(または20℃)の温度帯を指しています。
冷蔵倉庫の場合:5~-5℃の温度帯を指しています。
冷凍倉庫の場合:-15℃以下の温度帯を指しています。
定温倉庫の場合:一定の温度・湿度を保つことを指しています。
保管する品目に合わせて常温よりも低い10~20℃の間を保つことが多くなります。
倉庫の自動化・効率化
WMS提案
WMSとは、倉庫管理システム(Warehouse Management System)の略称で、倉庫への貨物、資材、商品の入出庫管理や在庫管理などの機能を搭載し、物流倉庫・物流センターを効率的かつ高品質で運用するための統合システムである。物流倉庫・物流センター内の管理に限定されるが、在庫管理、入庫管理、出荷管理、棚卸し管理や帳票、ラベル発行機能まで可能である。基幹システムやその他システムとの連携による“全体最適化”と“物流の見える化”を実現する。
作業導線
作業動線は一筆書きになるI字型動線、またはU字型動線を採用すると効率的になる。また、入荷、保管、出荷までの作業の流れにあわせてレイアウトを設計する事が大切である。
シャトル式ラックシステム・
自動ラックシステム
最も一般的な自動倉庫に用いられているスタッカークレーンを利用した自動倉庫システム。
ラック式:棚を建物の屋根・壁と切り離して設置する為に建物が既設か新設かを問わず、設備規模も自由なため最も一般的なタイプ。
ビル式:自動倉庫の高層ラックに屋根壁を取り付けた建屋一体型となる為に建築物として建築基準法の適用を受ける。建築物とラックを一体化させることにより、建築部材の多用を抑えることができる。
自動ラックシステム・ビル式・ラック式工法
一般的な自動倉庫に用いられているスタッカークレーンでなく、シャトル台車を活用して入出庫を行う自動倉庫システム。高い搬送能力と高密度保管を実現また安全で効率的な運用ができ、設置スペースを有効活用する事が出来るレイアウト設計が可能。
FLOW
新規で自動倉庫を計画する流れ
新センターの事業計画
まず何をどれだけ保管し、どのような運用を行いたいのか?将来的な事業計画などを検討する。
センター全体の運営方法
保管方法より自動倉庫、シャトル式自動倉庫、水平式流動棚等の検討を行う+保管機能だけでなくセンター全体の 運営方法より最適な規模を考える(入荷→出荷迄の工程を考える)
建物の計画
建物の計画を行う、計画した倉庫の内容に連動した建物計画をする
既存倉庫に自動化・効率化を計画する場合
- 検討する上で必要な建築的な情報
- 既存建物の構造、既存床耐荷重、既存建物への付帯工事、設置可能なスペース、既存電気容量の内容、温度管理の有無、外構・建物外回りの状況
- 倉庫情報
- 保管商品、保管方法、管理方法、格納取出方法、入荷→出荷迄の流れ
- 事業主とメーカーと建設会社の関係性
- 保守メンテナンスはメーカーと直接がよい、ただ事業計画段階においては倉庫内物流を考えた建物計画を考える必要性がある。その役割分担等を考える。
機能別特殊倉庫 施工事例