倉庫の保管効率を改善するためのポイントとは?

倉庫の保管効率を改善するためのポイントとは?

投稿日:2020.08.14 
更新日:2023.01.26 
お役立ち情報

倉庫の保管効率向上は、倉庫オーナー様であれば誰もが抱える大きな課題だと思います。それでは、倉庫スペースを最大限に有効活用し、保管効率を高めるためには具体的にどこをどう改善すれば良いのでしょうか?もちろん、各倉庫によって取扱製品などが異なることから、取るべき対策は施設によって変わってくるのですが、基本的な改善策はいくつか代表的な手法が存在します。

そこで今回は、倉庫スペースを有効活用して、保管効率を向上させるための代表的な改善策をいくつかご紹介していきたいと思います。自社倉庫の保管効率改善にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

倉庫の保管効率を改善させる手段

それでは早速、できるだけ倉庫スペースを有効活用するための改善策をご紹介します。

倉庫に適した保管什器を選択し、保管量を増やす

まずは、最も単純でわかりやすく保管効率を向上させる手法です。倉庫には、商品を保管するための棚が設置されますが、商品や倉庫スペースに適した保管什器を選ぶことで、大幅にスペースロスを抑えることが可能です。保管什器にもさまざまな種類がありますので、代表的なものを以下でご紹介しておきます。

積層ラック

積層ラックは、中二階あるいは積層棚の床材のことです。天井が高い施設が多い倉庫で、建物に負担をかけることなくラック下のスペースまで有効活用することができ、保管効率向上が目指せます。組立や解体も容易ですので、倉庫を移転する際などでも負担が少ないというメリットもあります。
なお、積層ラックにもさまざまな種類が存在し、製品によって特徴があります、例えば、昇降機が付属されているものや階段を移動させることができるタイプなど、保管商品の特徴によって最適な積層ラックを選ぶ必要があります。

高層ラック

名称からもイメージしやすいですが、高層ラックは縦の空間を最大限活用するために考案されたラックです。高層ラックは、バラやケースなどの単位で商品を保管することが可能で、積層ラックよりは小さな商品を大量に保管することに適していると言われています。そのため、Eコマースの物流倉庫など、少量多品種の保管を行う場合に採用されることが多いです。
なお、高層ラックは、人力だけではとても手が届かない位置にまで商品を保管することになるため、「ハイピックランナー」と呼ばれる人をのせて上昇する装置なども併せて導入されることが多いです。

移動ラック

移動ラックは、床にレールを設置しその上をラックが移動できるようにするタイプです。ラックごと移動させることができるため、密集させて保管することができるようになり、スペースを有効利用できるようになるというのがメリットです。通常、ラック同士を密集させてしまうと、保管している荷物が取り出しづらくなってしまうのですが、移動ラックであれば、必要に応じてラックを移動させることができるため、取り出しに困るような事がなくなるのです。ただし、商品をピックアップするためには、その都度ラックを移動させなければならないので、他のラックよりも手間がかかるのは事実です。したがって、頻繁に出し入れがある商品の保管にはあまり適していないと言われます。
移動ラックにも『手動式』『電動式』『ハンドル式』などといくつかの種類が存在します。

プッシュバックラック

プッシュバックラックは、コンビニの飲料を保管している冷蔵庫をイメージしていただければわかりやすいです。コンビニの飲料を陳列している冷蔵庫は、客が商品と一つ取り出すと自重で後ろの商品が前に出てきます。プッシュバックラックはそれと同様に、押し込み格納方式となっており、先に入れた荷物は、後に入れた荷物を取り出すと、自重で前に流れてくるようになるのです。そのため、スペースの利用効率が高いうえに、商品の取り出しも楽になるというメリットがあります。
プッシュバックラックは、パレット単位での入出庫が多い、食料品や季節商品、パーツ類の保管に適していると言われています。

自動倉庫システム

近年注目されているのが自動倉庫システムです。自動倉庫システムは、入出庫をコンピューターで制御する倉庫となり、ピッキング作業が自動化されることになるため、作業員が商品の取り出しのために行き来する通路スペースなどが必要ないのです。したがって、倉庫スペースの大部分を保管スペースとして活用することができるようになり、倉庫の保管効率を最大化することが可能なのです。
自動倉庫システムは、人件費削減や人為的ミスの削減など、さまざまなメリットが存在しますが、便利な半面相応の導入コストが必要です。

商品の保管場所を見直す

次は商品の『保管場所』についてです。多くの倉庫では、1種類の商品ではなく、さまざまな種類の商品を保管することになると思います。そして保管する商品によって出し入れする頻度が変わってくることでしょう。したがって、保管什器を決めた時には、出荷頻度などから商品ごとに適切な保管場所を決めなければならないのです。
例えば、他の商品よりも出荷頻度が高い商品を、倉庫の奥に保管してしまうと、取り出すのに時間がかかってしまうため、出荷作業の効率が悪くなってしまいます。従業員も無駄に往復することになってしまいますので、いくら保管スペースを有効活用していたとしても、倉庫全体を効率的に使えているとは決して言えないでしょう。
したがって、倉庫に保管する商品については、まず出荷頻度などからグループ分けして、出荷頻度の高いものほど出荷場に近い位置に保管するなどの工夫が必要になるのです。

作業効率の低下は防がなければいけない

倉庫の保管効率改善は重要ですが、保管効率ばかりを重視するあまり作業効率が低下してしまっては意味がありません。極端な話になりますが、倉庫スペースの有効活用と保管効率だけを追求した場合、荷物の種類など考えずに密集させて保管することが最もスペース的な効率は良くなるのです。しかし、このような保管方法を採用してしまえば、ピッキング作業などに支障をきたしてしまうことになり、倉庫の生産性は逆に悪くなってしまいます。

したがって、倉庫の保管効率の改善を行う場合には、作業効率のことも考えて改善策を講じなければいけないのです。例えば、以下のような考えを持って保管効率の改善策を検討しましょう。

  • ピッキング作業のことも考えて、保管場所を決める。例えば、同時にピッキングされやすい商品は近くに保管するなど。
  • ピッキング作業がしやすい程度の通路スペースは確保する。
  • ピッキングなどの作業導線ができるだけ短縮できる倉庫レイアウトにする。

保管効率ばかり追求してしまうと、作業効率が悪くなりがちですので、上記のような点にも注意しておきましょう。

まとめ

今回は、倉庫の永遠のテーマである『保管効率向上』のためにはどういった方法があるのかについてご紹介してきました。倉庫は、広大なスペースにさまざまな商品を保管していく施設ですが、倉庫スペースを最大限まで有効活用するにはどうすれば良いのか…と頭を悩ませている方も多いことでしょう。

まずは、自社倉庫における保管効率の現状を正確につかみ、何らかの問題があるようであれば、保管什器の更新などと言った対策を取るのが良いのではないでしょうか。ただし、保管効率ばかりを優先してしまうと、作業効率が悪くなってしまい、逆に倉庫の生産性が落ちてしまう…なんて危険もありますので、その辺りは注意しましょう。

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